九谷焼とは?


九谷焼は、石川県南部の金沢市、加賀市、小松市、能美市で生産されている色絵陶磁器です。歴史は古く、およそ360年以上前から続いています。「五彩」を使った色鮮やかで華やかな上絵付が九谷の特徴です。

 
 
 

〜大イベント『九谷茶碗まつり』〜

 

九谷茶碗まつりは、石川県能美市で毎年行われている、100年以上続く伝統的なお祭りです。たくさんのお店が並び、九谷焼の産地ならではのさまざまな器を販売しています。九谷の器を求め、全国からおよそ20万人ものお客様が訪れる大イベントです。




 

「五彩」って?


「五彩」とは、青(緑)・黄・赤・紫・紺青の和絵具を言います。赤以外の4色は焼成する(焼き上げる)と、ガラス質の透明感のある色彩となり、触ると盛り上がった感じになっています。

 

これらの5色が色の基本となっており、いまもなお受け継がれています。また作家の先生方によっては、配合を変えて独自の絵の具を開発するなど進化し続けています。




 

磁器ってなに?


磁器とは、陶石を細かく砕いて成形し、ガラス質の原料である釉薬をコーティングして焼成(焼き上げる)したものです。白色に焼きあがるのが特徴的です。

 

一般的な陶器よりも高い温度(1,200〜1,300度)で長時間(15時間以上)かけて焼成するので、焼き締まって頑丈になります。爪で弾くと「キン、キン」と高い音で響くのが特徴です。




 

器(素地)ができるまで


九谷焼の素地(絵付け前の生地)ができるまでの工程を説明します。

 

【砕石・粉砕】

 

花坂陶石場(小松市)などで採石した陶石を、長い時間(半日ほど)をかけて細かく粉砕機で砕いて、粉末状にします。

 
 

【坏土(はいど)・水簸(すいひ)】

 

- 坏土(はいど)-
何種類かの陶石と陶土を水の中でよく混ざり合わせ、 沈殿した粒子の細かい粘土状の土だけを集めると「坏土」ができます。 『九谷の美しさは坏土に始まる』と言われるほど、九谷焼にとっては重要な工程です。

- 水簸(すいひ)-
精粉した陶石を水に浸し、不純物を取ります。余分な水分を除き、適当な柔らかさにします。

 
 

【土もみ】

ヒビ・ヒズミの原因となる陶土内の空気泡を抜いていきます。

 
 

【成形】

 

- 1.鋳込み(流し込み)の場合 -
液体状にした土(泥状)を型に流し込み、素地の厚み分が固まったら余分な泥を取り除いて、型から外し、自然乾燥させます。

- 2.圧力鋳込みの場合 -
食器などの型に使用されます。鋳込み口がそれぞれ繋がった同じ型を10個程重ね、上から液体状にした土(泥状)を圧力をかけて流し込みます。それぞれ型から外し、自然乾燥させます。

- 3.ローラーマシン(大量生産ロクロマシン)の場合 -
お皿などの凹の型(石膏)に適量の土の塊を入れ、高速回転した凸の型(金型)を入れ込んで形を成形します。それぞれ型から外し、自然乾燥させます。

ロクロ、手びねり、タタラ、鋳込みなど、形に応じたさまざまな成形法があります。

 
 

【素焼き】

 

成形した素地を半乾きにし、ゆがみなどを修正して仕上げ、削ります。 形が整えられた素地を再び乾燥し、800〜900度で「素焼き」が行われます。

 
 

【釉掛け】

 

器の表面をガラスで覆い強化するため、釉薬を掛けます。

 
 

【窯詰め(本窯)】

 

成型、乾燥させた素地を窯に詰める作業です。 およそ1300度の高温で、長時間(15時間以上)かけて焼成します。 ここで釉薬が溶けて、ガラス質になります。

   
 

ここまでは「九谷焼とは?」「器ができるまで」を簡単に説明してきました。ここからは、九谷焼の醍醐味でもある「絵柄」や「画法」について紹介していきたいと思います。

 
 

代表的な絵柄(歴代画風)


九谷焼には、その時代その時代に考えられた画風があります。こちらでは「古九谷(こくたに)」「木米(もくべい)」「吉田屋(よしだや)」「飯田屋(いいだや)」「庄三(しょうざ)」を商品と共に紹介します。下記の青色になっているURLからご覧ください。

 
歴代画風 - 九谷焼 いわたや (kutani-iwataya.com)

 
 

画法の数々


「現代九谷」といわれる明治以降に生まれた画法を紹介します。

 

【青粒(あおちぶ)】

 

大正時代に広まった色彩の技法で、地色上に青粒や白粒と称される細かい点の盛り上げを並べる鮫肌のような手法です。

 
 

【花詰(はなづめ)】

 

大正二年に金沢の名工「水田四郎」によって伝えられた九谷焼の技法で、素地の表面をさまざまな花で埋め尽くし、花の輪郭を金色で括る(くくる)ように描くデザインが特徴です。

 
 

【盛付(もりつけ)】

 

デコレーションケーキに生クリームを絞って飾り付けるように、専用の道具に粘度の高い絵の具を入れ絞り出して厚く盛り上げる技法です。一般的には置物などに使われる技法で近年では、「デコ盛」として若年層にも人気です。

 
 

【彩釉(さいゆう)】

 

磁器に和絵具(ガラス質系の絵の具)を通常よりも高い温度で焼き上げ、その和絵具をほんの少し流れるくらいで焼成します。すると鮮やかなグラデーションを生み出し抽象的で神秘的なデザインに仕上がります。 この技法の第一人者が、人間国宝にも認定された三代徳田八十吉先生です。

 
 

【釉裏金彩(ゆりきんさい)】

 

まず最初に素地に下地の色(洋絵の具)を施し焼成します。次に金箔を切り取ってデザインされた紋様をつくって組み合わせて貼り付け焼成します。最後にガラス質の透明な釉薬を吹き付け焼成します。この技法の第一人者は、人間国宝の吉田美統先生です。

 
 

【釉裏銀彩(ゆりぎんさい)】

 

釉裏金彩同様、まず最初に素地に下地の色(洋絵の具)を施し焼成します。次に銀箔を切り取ってデザインされた紋様をつくって組み合わせて貼り付け焼成します。最後にガラス質の透明な釉薬を吹き付け焼成します。この技法の第一人者は、人間国宝の吉田美統先生の兄弟弟子である中田一於先生です。

 
 

【金箔彩(きんぱくさい)】

 

下地に金箔を乗せ焼成することで薄く張られた金箔がひび割れ独特な文様が生まれる技法です。筆では表現できない豪華で趣きのある仕上がりが優美な輝きを放ちます。

 
 

【毛筆細字(もうひつさいじ)】

 

明治以降、石川県の加賀地方で伝えられた技法で、古典文学の和歌などを極細の毛筆で磁器に描き込む熟練が成せる技です。立体で曲面の多い素地に絵付け全体とのバランスを図りながら、細字を描く作業は裸眼で行います。また、器の内側に描く際は、縦の線は下から上に引くなど通常とは異なる書き順を用います。


 
 

九谷焼で使われている紋様


九谷焼にはさまざまな紋様が使われています。日本では古くから、着物や工芸品に紋様が使われ、その中でもとりわけ縁起が良いとされるものは吉祥文様といわれています。以下6種類をご紹介します。

 

【麻の葉(あさのは)紋様】

 

見た目が麻の葉に似ていることから名づけられ、神事では、お祓いに用いられる大幣(おおぬさ)にも用いられています。 その影響もあり、麻の葉紋様は魔除けの吉祥文様として親しまれています。

 
 

【紗綾(さや)小紋】

 

卍の字がどこまでも途切れずつながっていることから、家の繁栄や長寿を願う不断長久の吉祥文様として古九谷などの画風でよく使われています。

 
 

【青海波(せいかいは)紋】

 

どこまでもいつまでも、穏やかに波が続いていることから、未来永劫の平安を祈る吉祥文様として使われています。

 
 

【亀甲(きっこう)紋】

 

亀の甲羅を図案化し、六角形を敷き詰め模様にしたものです。「鶴は千年亀は万年」というように、古くから長寿の象徴として縁起の良い文様として九谷焼でも用いられています。

 
 

【七宝(しっぽう)紋】

 

輪をつないで重なった部分は花びらのように見える紋様で、輪は「和」に繋がり、それがどこまでも続くことから円満や繁栄をあらわした吉祥文様で九谷焼の割取に描かれています。

 
 

【網目(あみめ)紋】

 

網目紋を実際の漁網に見立てて魚・海老・蛸などを配した紋様も江戸時代後期に生まれ、漁師や魚市場の人々が「大漁文」として愛好しました。 網打って一網打尽にするように敵を打ち負かすようにと武将の紋にも使われました。九谷焼では、赤絵細描のデザインとしてよく用いられます。



 

最後まで読んでいただきありがとうございます。九谷焼について少しは知っていただけましたでしょうか?九谷焼は長い歴史を経て今も進化し続けています。色遣いや絵柄の組み合わせ、また独自の技術によって表現は無限大に感じます。当店では、たくさんの商品を取り揃えています。「これいいな」「あれほしい」が見つかると嬉しいです。是非、トップページやサイドメニューからご覧くださいませ。



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